主幹事証券って?
IPOを取り仕切るメインの証券会社だね
IPOで当選するために、主幹事証券を知ることはIPOの当選確率を上げるのに重要な要素です。
通常は1社のIPOにつき1~3社くらいです。
この記事では、IPOでの主幹事証券の役割やメリットなどを紹介します。
この記事を読んで、主幹事証券を務めることの多い5社をチェックし、可能であれば口座開設をしておくことをおススメします。
IPOに当選するには、証券口座を多く持ち、数多くアタックすることが必須ですよ。
IPOの主幹事証券の役割
企業が新規に株式公開(IPO)する場合には、それを最初に取扱う証券会社が複数選ばれます。
おおむね4~6社くらいですね
その証券会社を幹事会社といい、中でもメインを務めるのが主幹事証券です。
主幹事証券は通常1社のみです
IPOの際の主幹事証券の役割は、主に以下のようなものです。
- 企業と証券取引所の間を取り持つ
- 株価や発行価格の決定
- 株式の売り出し方法の決定
- 投資家の募集
主幹事証券は分かりやすく言えば、『IPOに関するすべての業務』を行うわけです。
もちろん、これらの業務を証券会社単独で行うわけではありません。
主幹事証券はIPOを実施する企業と協力し、公開準備から公開後まで数年に渡り様々なサポートを行います。
主幹事証券は他の幹事証券の中でも、最も役回りが多くなり業務も多岐にわたりますが、その分IPOの公開株を引き受ける株数も多くなります。
証券会社が主幹事を引き受けるメリットは、
引き受けた公開株を上場時の公開価格よりも安く取得できることで、
その差額が幹事証券の利益となります。
IPOで主幹事証券を選ぶメリット
主幹事証券はIPOの割当数が多くなりますので、個人投資家への当選数も多くなります。
IPOを行う企業や主幹事証券の実績などにもよりますが、主幹事証券はIPO企業が発行する予定の全割当数のうち7割~9割の割当数(当選数)を占めることが多いです。
ほとんどと言ってもいいいくらいですね
資産家や投資家に有利な主幹事証券
特に老舗証券会社では、割り当ての多くを普段からまとまった金額の資産を運用している顧客に回すことが多いです。
いわゆる資産家とか投資家と言われる方々ですね
では、例えば私のようにIPO当選だけを目指す、資産家でも投資家でもない人はどうすればいいでしょう?
一般ユーザーのIPO戦略
実は、主幹事証券のIPO割り当て株数のうち、多くは投資家や資産家に回りがちですが、それでも10%程度は一般ユーザーに回ってきます。
その10%程度の株数でも、他の主幹事ではない普通の『幹事証券』と同程度の株数が回ってくるのです。
後から実例を紹介していますよ。
考えようによっては、IPOを取り扱っている証券会社であれば、主幹事証券であろうがなかろうが、同じくらいの株数が割り当てられていると言えます。
主幹事証券を選ぶメリットは資産家や投資家ほど有利だが、一般ユーザーにとっては他の幹事証券も同じくらいのチャンスを持っていると言えます。
主幹事証券になる証券会社とは
IPOで抽選に当たりやすくするには主幹事証券を知っておくことが重要です。
では、主幹事になる証券会社はどんな会社だと思いますか?
主幹事は老舗の店舗型証券会社が多い
実は、主幹事になる会社はだいたい同じような証券会社がなる傾向にあります。
必然的に主幹事を務める証券会社には、ネット取引が行われるようになる前から証券会社として実績を重ねた老舗と言われる証券会社が多いです。
2022年の例で言えば、IPO実施企業91社の内、上位5社の占有率は以下のようになっています。
証券会社名 | 主幹事回数 |
SMBC日興証券 | 24社 |
みずほ証券 | 19社 |
大和証券 | 17社 |
SBI証券 | 12社 |
野村証券 | 10社 |
上記5社を見て分かるように、SBI証券以外は老舗といえる店舗型の証券会社です。
主幹事証券のメリットは?
但し、老舗の証券会社ではそれなりの資産を預けてないと、IPOの割り当てのメリットはグンと下がります。
例えばある証券会社では、IPOの主幹事証券への割り当て数の内、ネット取引のみのユーザーへの割り当ては10%前後です。
主な顧客に90%前後を割り当ててしまうということです。
それでも、主幹事証券としての割り当ての多さからすれば、10%でもなかなかの数にはなります。
以下に最近では最も有名な楽天銀行のIPO株の割り当て例を掲示しておきます。
証券会社名 | 割り当て率 | 割り当て株数 |
大和証券(共同主幹事) | 36.33% | 11,619,500株 |
三菱UFJモルガンスタンレー証券(共同主幹事) | 14.46% | 4,623,600株 |
みずほ証券(共同主幹事) | 13.77% | 4,403,400株 |
SMBC日興証券(共同主幹事) | 11.70% | 3,742,900株 |
ゴールドマンサックス証券(共同主幹事) | 8.60% | 2,752,100株 |
楽天証券 | 8.26% | 2,642,000株 |
野村證券 | 5.16% | 1,651,200株 |
マネックス証券 | 0.86% | 275,100株 |
松井証券 | 0.86% | 275,100株 |
上記では、主幹事は5社が共同で務めていますが、その占有率は84.86%です。
主幹事証券の占有率はだいたいこんな感じです。
このうち、IPOのみ利用するような一般ユーザーに回ってくるのは10%程度(証券会社により異なる)。
つまり主幹事証券からIPOのみのユーザー等に割り当てられるのはおおむね8.5%前後ということ。
なのでその数字は、一般幹事証券のうち最も多い証券会社(この場合は楽天証券)と同じくらいです。
主幹事証券以外からも申し込む
先ほど紹介したことを考慮すると、一般のIPOユーザーは主幹事証券から申し込むのも必須ですが、
これはというIPOでは、より多くの証券会社から抽選に参加すべきでしょう。
IPOはやはり質より数で勝負です。
ですが、そうでない方は多くの証券会社で口座開設して数で勝負するようにしましょう。
まとめ:IPOの申し込みで主幹事証券を選ぶメリットとは?
この記事では、主幹事証券の役割とIPOに参加する時のメリットなどを紹介しました。
ですが、IPOの当選を狙う一般ネットユーザーなら、それらの証券会社のみでは当選確率はあまり上がらない可能性が高いです。
初心者であれば、資金不要で抽選に参加できる証券会社やネット専業の証券会社に口座を作っておいて、
これはというIPOには積極的に複数の証券会社から抽選に参加するようにしましょう。
ということで、この記事は以上です。